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 どうしようもない人が教員になっているとは思えない。ただ、やる気があるのか、ないのかだけの違いはある。教員の質が問われているが、教員の質とは何か。社会常識なのか、学力なのか、コミュニケーション力なのか、情熱なのか、何なのかきちんと定義されていない。

 しかも、質を測定することは容易ではない。なぜなら、目に見えないからだ。校内で優秀とされる教員が、犯罪に手を染めたケースもある。その逆もあるのではないか。つまり、校内では目立たず、主任級ではないが、常に他の教員を支える側に回って、地道に生徒と接し続けている優秀な教員もいるということ。

 我々は、生徒を指示に従わせることが出来る教師が優秀、という定義をしてしてしまうことが多い。しかし、本当だろうか。もし、それが本当なら、教師を全員プロレスラー並みの体を持ったものにすればいい。しかし、吉田松陰、緒方洪庵、クラーク博士などはプロレスラー並みの体であったかというと、そういう事実はない。

 すごい先生とは、従わせるのではなく、生徒が慕うのである。

 教員の質の基本は、その人の心の境地だ。あったかいか、広いか、困難に強いか、志があるか、優しさがわかるか。人間には測れないものかもしれない。

 





 


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ある県の教員が当たり前のように出来ていることが、大阪では出来ていない。これを市民は知っているのだろうか。その違いは、生徒の学力に出てくる。中学校で3年間の積み重ねとなるからかなり大きい。

例えば、週案はどうだ。週案とは教育の計画である。計画なくして成功なしだ。しかし、週案は大阪では定着していない。大阪では週案をバカにしているからだ。

私は、週案なくして授業の展開ができないと思っている。週案と言っても、最低、次の定期テストまでの計画を練るところから始まる。テストに向けて、日々の授業を目的を持って進める。もちろん宿題も、数週間先からみた計画的な出題になる。当然だろう。だから授業が面白い。子どもの成長が楽しみだからだ。

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橋下知事は大阪の教育の水準を上げたいと思っているが、方法は一つだ。

教員の意識改革だ。

改革とおおげさに呼んでは恥ずかしいものがあるが、他府県の水準に教員

の質や教育の水準を持っていくこと、それだけのことなのだ。


   大阪府は、「人間」という読本を義務教育で読ませてきた。同和団体の教育介入も他府県では信じがたいほど行われきた。しかし、利権をむさぼってきたツケは大きい。まじめなまともな考えの教員を隅に押しやり、利権に結びついた横柄な教員をのさばらせてきた。だから、大阪の子に、本当の学力を身につけさせることができていない。

 他府県と何を比べれば大阪の教育の質の低さが分かるのか。学力テストの結果を見れば分かるのか。いや違う。他府県教員の教育実務や研究と比較すれば一目瞭然だ。

 例えば、大阪市教育改革プログラムの中に次のような「分かる授業」に向けての教員の研究についての現状・課題が取り上げられている。
 全国水準からしてもかなり低いことを市民は知っているのだろうか。


【現状と課題】
 学校教育の充実のためには、個々の教員の指導力はもとより、学校全体の教育力を高めていくことが大切であり、それぞれの学校が自校の課題や特色を認識し、教育目標を全教職員で共有し、学校全体で課題克服に向けて取り組んでいくことが必要である。
 学校の教育力を高める取組みとしては、公開授業を行い授業評価・授業改善を行う取組みや、先駆的な授業実践のモデル実施、指導案や教材の開発といった、学校現場での研究・研修活動が非常に有効である。

 このような活動は、学校全体の活気を高め、児童・生徒の学習意欲にも好影響を与えると考えられる。
 しかしながら、平成20年度の全国学力調査では、授業研究を伴う校内研修の回数は、小・中学校ともに全国平均を下回っており、小学校で全国平均9回に対し、大阪市の平均は7回、中学校では全国平均6回に対し、大阪市の平均は2回となっている。

 特に中学校においては「全くしていない」の割合が16.7%と、全国平均に比べて15%も高くなっている。

 本市においては、学校の小規模化などにより、校内での授業研究に取り組みにくい状況にある学校も多く、学校現場がしっかりと研究活動に取り組めるよう、さまざまな角度から支援を行い、研究活動の一層の活性化を図っていくことが必要である。


  中学校では校内授業研究を行う回数は全国平均のなんと3分の1だ。
 
 
つまり全国には授業改善等の研究を大阪市の4倍、5倍と労力をかけて取り組み、成果を出している県があるということだ。

 教員の意識を、授業改善に向け切れていない大阪市の弱さがある。逆にいえば、授業改善に向けて頑張っている教員を市が応援しきれていないということだ。

 これは授業改善に始まったことではない。生徒指導、道徳教育、総合学習に対しても研究がなされていず、攻めの指導に向かうことなく、志を持って組織で動くこともなく、その日の日課をこなすだけの学校の様子が見える。ただ、人権だけは突出して力を入れている。


 大阪の教育は同和教育、外国人教育と様々な課題を抱えていることは確かだ。しかし、教師の基本は授業である。その授業の研鑽なくして教育改革はあり得ない。
 授業から確かな学力が生まれ、同和地区の子も外国籍の子も進路が開かれるということを忘れてはならない。主義主張を通すことにエネルギィーを使い果たすことなく、純粋に
授業を中心とした学校を目指し大切な子どもたちの未来を切り開いてあげたい。

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教員の質は使命感を内に秘めているかに大きく左右される。要は志である。だから、金や生活や名誉欲のために教師を選んだものは、そこそこの教員しかできない。

しかし、志のあるものとない者の判断はなかなかできない。志あるものは、果敢に厳しい状況に挑む。壁が高過ぎて前に進めない時も多い。

教育の結果はすぐに得られない。志のないものでも、名誉欲や要領の良いものは、苦労を避け、即効性の見えるものを演出する。

だから、後者のタイプが校内で輝いて見える時がある。他の教員が苦労を重ねて作ってきたものを、あたかも自分の実績のごとく語り振る舞う教員もいる。

極端に言えば、欲のために、地位に昇りつめたが新聞に載る行為をしてしまって消えた者もいる。私の極近くにその人はいた。しかし、捕まるまでは、有望視された人だった。

一体何がいいのか、悪いのか。志のある教員が埋もれないように、励ましたい。

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教育実習が長ければ良い教員が育める、と考えるのは幻想だ。実は、長い教育実習で身に付くのは、現場の悪習だ。

今の教育現場では、実習期間が長ければ長いほど、権利ばかり主張する教員の実態が実習生にばれてゆく。管理職がバカにされている実態をまざまざと見せられると、初めはびっくりするが、次第に、職員室で生きていくにはそうするのかと、インプットされていく。そして、長い教育実習が終わったら、一人前の権利を主張する怠惰な教員の出来上がりとなる。そうなると、いくら税金をかけて新任研修、初任者研修をしようとも、教員の良き新陳代謝は遠くなる。

そうなることは教員はよく知っている。次の例を考えれば分かるからだ。

荒れている学校の教師たちは、新入生に上級生が校則違反している姿や、暴力、暴言を吐いている姿を見せたくない。なぜなら新入生に、ここまで出来るのかと思わせるからだ。、上級生との悪いかかわりの道を絶つことが出来れば、新1年生をきちんと育てる土壌の大半が整ったといえる。そしてやるべきは、鉄は熱いうちに打てだ。最近の高校では当たり前になったが、入学間もない時期に、新入生の宿泊学習をするところが多い。そこでは上級生はいない。新入生に規範意識や学習に対する真摯な姿勢を植えつける大きなチャンスとなっている。

さて、教育実習生が来ている期間、教員はやはり緊張する。つまり、良いところを見せようとする。そして、数週間が終わっていく。しかし、これが3ヶ月間、ましてや1年間となると緊張はほどけ、いつもの実態をさらけ出すだろう。いつもの会話が職員室で飛び交うだろう。そうすると、本採用になる前に、教職員の悪態に染まることになる。

一年もすれば、熱い鉄が使い物にならない曲がった鋳物になる。

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サッカーをまったく経験していない者が、高等学校や大学やクラブチームの監督をして実績を上げることは至難の業だ。中学校時代に総合学習や道徳を受けていない教員がそれを教えることも難しい

だから、教員養成対象者は、総合学習・道徳教育の授業を受け直す必要がある。なぜなら、道徳の授業を年間時数通り実施している学校はほとんどないからだ。教員は道徳の授業を学級や学年または行事などに使っているから大学生たちはまともに道徳の授業を受けていない人が多い。                 
                   
道徳の授業は、道徳の教科書を教員が読んで解説する技術を習得すれば済むのではない。すべてを授業テクニックに任せては、生徒に中身がない教員だとばれてしまう。
                            


教員養成段階で、人間性を育む機会を作ることだ。そのために、人間的に優れた人と出会わせるべきだ。講演会でもよい、どこか企業のセミナーでもよい、生き方の研究を必修としたい。これが、道徳や総合学習につながる。

また、教育実習が長ければ良い教員が生まれる、と考えるのは筋違いだ。長い教育実習で、人間性を育めるかどうか疑問だ。

今の教育現場では、実習期間が長ければ長いほど、権利ばかり主張する教員の実態が実習生にばれてゆく。管理職がバカにされている実態をまざまざと見せられると、初めはびっくりするが、次第に、職員室で生きていくにはそうするのかと、インプットされていく。そして、長い教育実習が終わったら、一人前の怠惰な教員の出来上がりとなる。そうなると、いくら税金をかけて新任研修、初任者研修をしようとも、教員の良き新陳代謝は遠くなる。これぞ税金の無駄使いだ。

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 文部科学省は、教員免許制度や教員養成課程など「教員の質」に関する制度改革に取り組む方針を固めた。

 6月にも、文科相の諮問機関である中央教育審議会(中教審、三村明夫会長)に諮問する。免許制度の抜本見直しや養成課程の延長が議論される見通しだ。

 民主党は、実践的な指導力のない教員がいることは免許制度に原因があると見ている。養成課程についても、教育実習の時間が少ないことなどを問題視している。

 2009年の衆院選では、政権公約(マニフェスト)に「教員免許制度の抜本的見直し」「教員養成課程の6年制化」を掲げた。

 今回の諮問も、こうした問題意識に沿って行われる。具体的には、「教員の質の向上策」をテーマに、
〈1〉教員志望者の養成
〈2〉教員の採用
〈3〉教員の研修
――について、望ましい制度の検討を求める方針だ。個別の検討項目は指定しない考えだが、免許制度や養成課程が議題となる見込みだ。

 同省は答申を受け、早ければ11年の通常国会に関連法案を提出したい考えだ。                                                          
                                                                                                   以上、 読売新聞5・17



                                                                                       教育実習が長ければよいのか。免許制度は、本当に大学院まで必要なのか。教育の元々に戻って考えたい。

教員の資質は半分以上人間性である。人間が人間を教えるのだから当然だ。その人間性は、何によって育まれるのか。これを明確にして論議すべきだ。

スポーツの世界では、監督やコーチの信条や手腕が選手の実績を大きく左右する。つまり良き選手を輩出するには、良き指導者が必要ということだ。その後に育成システムがくる。

人間を教えるのが教師ならば、教師の卵を教える大学の教員の資質を大きく取り上げる必要がある。教員養成職につく大学教員こそ真の人間性が問われるべきだ。教員の卵の育成システムだけをいじっても無駄だ。

教員養成に関して、抜本的な改革の第一歩は、養成職の意識の改革だ。その後システムの改革がある。順番を間違えると、何度改革してもシステムの改革ごっこに終わり、教育界のさらなる疲弊につながる。
 

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N太は教室に入らない。入っても暴言、暴力で授業にならない。外では、夜中に暴走し、翌日は家に帰らない。担任である私は指導困難な状況を抱えていた。

その日も、私やM先生に手を出し、どのように指導していくべきか迷っていた。もう、一律な指導をやっても意味がないと感じていたので、M先生と話しあい、親に会う前に本人と語ろうと決めた。どこでどう語るのか、2人が考えたのはファミレスだった。そして、N太の携帯に連絡し、車に乗せた。その時、「先生、おれはMやK嫌いやないねん」。私とM先生は、N太のこの言葉が出た瞬間に胸のつっかえが取れ、指導のほとんどは終わったと直感した。

それから、N太は教師に暴力をふるわなくなった。この時から、指導とは何かと深く考えた。考えたことは2つある。

①型にはまった指導。例えば、暴力はすぐ親引き取り、喫煙は親呼び出し。これらは、当然だが、指導する側とされる側の信頼関係があっての話である。まずは親との信頼関係を構築するために入学当初に先手を打つ。

②信頼関係を構築するにあたり大切なのは、指導する側の動機だ。指導は、生徒を抑えて言うことをきかせる、という観点に陥りやすい。しかし、その時は良くても、禍根を残す。つまり、指導になっていないのである。一方、信じて伸ばす、を動機として指導すれば、ゆっくりだが最後に親や生徒から信頼され、良い方へ向かう。

指導とは、生徒を励ますこと。生徒も私も失敗を繰り返す弱い人間。なんとか生きている。

同じ人間として、励ましてやりたい。だが、生徒を励ますといいつつ、実は自分を励ましている。そして、自分を励ましていると言いつつ、真実は、生徒から励まされている。

指導とは、生徒から元気をもらうこと。生徒から教えてもらうこと。N太よ本当にありがとう。


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 「誰のために勉強しているんだ、いい加減にしろ」と、私の声が教室に響いた。以前、私の学級のほとんどの教科が授業中に騒がしくなった時があった。私はあせり、生徒に声を荒げた。しかし、やがて日を追うごとに、私への反発の空気が漂い始めた。そして、毎日遅くまで、授業準備や生徒指導で頑張っているのに、なぜ生徒たちは分かってくれないのか、と生徒たちに怒りがまた込み上げてきた。

 だが、学級がそうなる原因は自分にあった事が分かってきた。 苦悩の中、先輩教師に相談した。「君は生徒たちと向き合っていないのと違うか」と言われた。最初は、先輩の言葉に反発を感じた。これほど生徒の事を思っている教師はいないと。しかし、アドバイスは的を射ていた。

 自らを省みた。学級が騒がしくなると、力量不足と見られるかもしれないと怖れ、生徒を怒っていた。つまり、私の怒りは、周りの評価を気にし、担任としての立場を守るための怒りだった。まさしく、生徒に向き合うのではなく、周りの教師や保護者の目と向き合っていた。

 生徒は私の言動の奥にある心の中を見透かしていた。それ以来、「なぜ、何のために私はそれをしたいのか」を自らに問い返すことを日課とした。今後も同様に、周りの目と向き合うのではなく、生徒たちと向き合う。  
 

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公立教員の教科指導の力は、塾や予備校のノウハウを取り入れることにより向上する

以前、駿台予備校の講師募集に電話で問い合わせたたことがある。中学校受験の指導講師である。結果は現職教員は話にならないようで、断られた。理由は、ズバリ、中学入試問題が解けないからと言われた。頭に来たが、実際、入試問題を見て、さらに頭にきた。難しい。

まあ、冷やかしと、世の中調査のつもりで電話したが、公立教員としての高い鼻(本当は低い鼻かもしれない)はへし折られた。

実は、学校の授業は、教員でなくとも誰でも出来る。指導書の通りに教えればよい。板書もテキストに載っているように書けばカッコはつく。しかし、「分かる授業」や「興味が持てる授業」となると、教員としての経験と研究が必要だ。

さらに受験の教科指導となると、塾や予備校のノウハウが必要だ。ただし、ここでは、塾といっても、進学実績のある有名塾を言う。

昨日、ある県の公立高校入学試験が行われた。それを解いてみた。あの量を制限時間で解くとなると、かなりの解答スピードがいる。

学校の授業では、そのスピードは養成されない。なぜなら、授業時間数が、教科書を教えるのに必要なだけしか設定されていないからだ。さらに問題点は、公立教員が解答スピードを速くするノウハウを知らないということだ

さりげなく、同じ教科の先生に、そのノウハウを持ち合わせているかどうかを問うてみた。私は、未だに知っている先生に出会ったことがない。実は私も若き頃知らなかった。どこから取り入れたかというと、ある塾に通う生徒との会話からだ。彼は、私も知らないスピーディーな解法を知っていた。

それから、塾の教師が作る受験雑誌を購読し、研究を始めた。その雑誌からとった教材を授業で使っていたら、知らぬ間に地域の学校に広まっていた。塾の力は強力だった。

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