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   朝、駅の改札口でジャージ姿の女子中学生たちが元気な声で話をしていた。

今日は日曜日だ。

練習試合に行くのだろうか。その横で初老がかった男の人が、これまたジャージ姿で静かに立っていた。

きっと顧問の先生だ。しばらくすると顧問の先生が一人歩き出した。その後ろを中学生たちが話しながらついていく。

何気ないその一コマが胸を突く。その顧問の先生、元気なさそうに見えた。なんとなくしんどそうに感じた。仕事だから…な。

自分も今から学校に行って部活だ。しんどい。風邪薬を飲んでなんとか押さえている。強くしたい気持ちはある。いや強くさせる自信がある。今までの実績はある。

今日、生徒が言ってきた。「先生、もっと練習厳しくしてください」 「はぁ」 いまどき珍しいなぁと思いながら聞いた。心の中で本当に厳しくしてもいいのか?と笑った。「厳しくしたらおまえらついてこんやろ」と言ってやった。

この間、練習を増やしたら、文句を言っていたのに、きっと強くなりたい気持ちはあるのだろう。しかし、強くなるには半端じゃない練習量がいる。それにはどう見てもこの子らはついてこれないと見ているし厳しいことを言うと反発するか逃げるかだ…。もっと言えばかならず親が文句を言ってくる。

いろいろ考えたが、強くなる練習に一番ついていけないのは自分だと感じた。もし、強くするためのプログラムを強行すれば、土日祝はほとんどつぶれる。練習試合を組むだけでも頭を悩ませ、練習場所の確保だけでも大変な労力と時間が費やされる。

以前頑張ってそれをし、それなりの成果を出したが倒れかけた。この歳では無理がある。だれか若手が欲しい。しかし、若手でそんな苦労を買って出る人は少ない。だれか一緒にやってくれたら、生徒の要望にも少しは応えられるかもしれない。

やはりここでも他力本願か。とつぶやく虚しさがあるな。



これを書いて数時間後にこの出来事を思い返してみた。ふっと思ったことは、「先生、もっと練習厳しくしてください」とは、私に「先生もっと本気で私たちにかかわって下さいよ」と言ってるように思えた。やはり原因は自分か。俺が変わらねばなにも変わらないな。そう思うと目の前がすっと明るくなった気がした。

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平等の中の不平等

一般社会には
by torneo777 2011/12/10(Sat)20:29:54 編集
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