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数字だけでいうと、IQ70以下は知的障害の分類になる。

  • 最重度・・・ おおむね20以下
  • 重度・・・   おおむね21~35
  • 中度 ・・・   おおむね36~50
  • 軽度・・・    おおむね51~70


しかし、境界性知能とは、上の分類にはなく、およそIQ70~85のことだ。全体の人数の14%に当たる。35人学級の中に5人いる計算になる。


WISC4の結果には、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度と4つの指標がある。その得点だけでは子どもの特質は概略しか理解できない。指標得点を作っている下位検査を細かく見ることが必要だ。

軽度知的障害や境界性知能の子どもたちでも、ある部分では普通にできるものを持っていることがある。例えば、知覚推理と処理速度が極めて低いような生徒でも、言語理解とワーキングメモリーが90近くあれば、普通に会話ができ頑張れば学習にもついていける。ただ、そういう生徒は算数・数学は厳しいだろう。だから、周囲から見ればちゃんとコミュニケーションもでき、出来る教科もあるのに出来ない教科があるので、怠けているとみなされるのだ。

逆にIQ100なのにテストではどの教科も20点台だという生徒もいる。それは知的には遅れのないディスレクシアなどに当たる生徒が多い。これらは怠けている、あるいはどうしようもなく学力が低いとみなされ放っておかれる。

子どもたちの困難な状況を早い段階で理解してあげ、支援の対象にしてあげることがなにより必要だ。そして、子どもたちにも、自分の特性をしっかり理解し見つめていく力を持たせることが必要になる。

そうするためには、発達検査を受けやすい環境を学校で作ることが大切になる。支援学級や通級指導教室の担当が発達検査ができるように研修を積めるようにしてほしい。ただ、現在は支援学級の担任で発達検査に詳しい教師は極めて少ない。通級指導教室の担当教員ならば熟達した先生も多い地域がある。

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