公立学校の真実
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委員会からの講師依頼が始まった。
この土曜日曜にだった。月曜に学校に行くと、様々な情報が流れてくる。昨日○○市から講師依頼があったとか、職種はこうだったとか、私はまだ来ていないとかだ。
教育委員会の人らは土曜日曜が仕事の稼ぎ時だ。次は18、19日の土曜日曜だ。講師登録した人はいつでも携帯電話をとれるようにしておきたい。
ある人は携帯電話に出ると、「もしもし××さんですか」と言われ、答えようとすると電話が切れた。電波があまり入らない家の中でとったので切れたのだ(S…社の電話)。
その後、その電話番号に何回かけても話し中。そして、その電話番号をネットで調べると、その場所はなんと○○市役所だった。その市役所には教育委員会がある。時間は、よる8時30分。こんな時間に市役所からかかってくるのは、つまり講師依頼の件に違いない。
でも、その電話は11時まで話し中で、その後はつながらなかったという。あの人らは採用方針に沿って次々と電話しているようだ。
3月、次第にそわそわする時期が近付いてきた。
講師の人たちは優秀な人が多いが、採用試験に受かろうという気があるのか、疑問に思う人もいる。
つまり、休日は、自分の趣味や友達と飲みに行く、また旅行などに力を入れているからだ。将来を視野に入れて考えているのだろうかと心配してしまう。
特に若い人は、月給だけを見れば巷の一般企業と同等か多くもらえている。その安心感があるのか、「まあ、このままでもいいか」と考えてしまうのだろうか。
相談に来るときもある。体育や社会科の講師で、競争率が高いので他の教科に変えたい、などだ。変えるならさっと変えるべきだ。時間がない。歳はどんどんとっていき、30にもなると、周りから一人前とみなされる。いつまでも講師でいることが辛くなりはじめる。
「講師も同じ教師、講師でも頑張っている人はいる。差別しないで。」という人もいる。このような純粋な理想はとても大切だ。
だが、理想だけでは教壇から去る日がやってくる。近畿圏はこれから採用の氷河期へと突入していく。講師は切られていく。その時のために今、どこの委員会も多くを正式採用しないで講師たちでまわしているのだから。
その時、理不尽だと文句を言うことはできても、実際は何も変わらない。
本当に教師という仕事に使命と憧れを抱いているなら、「講師でもいいか」とのんきな心を捨て去り、採用試験にむけて本気で頑張る必要がある。
講師はつらい思いをしている人も多い。例えば、月の最初から採用されれば、交通費も出るが、2日からの採用なら、その月の交通費は出ない(自分が経験済み)。また、長期休暇を雇用期間から外されるなど、腹立たしい思いをされた方も多いだろう。無報酬の働きを余儀なくされた方もいるだろう。
何より、身分が保証されていないので、育児休暇や産休などはありえない。(だから、女の講師の人は採用されてから、結婚や出産する人が多い)もちろん、教諭のように病気でそんなに休めない。
そんな不条理を抱えながら、講師の方は生徒と向き合っていかねばならない。
本当に生徒と向き合いたいならば、重荷を背負った教採の受験生ではなく教師という職に没頭できるように、正式に採用されることを切に望む。
そのためには綿密な戦略が必要だ。
確かな情報をしっかり調べて仕入れて、どうしたいのか、何をしたいのかと自分に問いづづけて道をつけていってほしいのだ。ある意味妥協も必要だ。
そして全力でこのカオス真っただ中の教育界に飛び込み、君の輝く力を発揮してほしいと願う。
(去りゆく老いぼれ教諭より)