公立学校の真実
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「少人数指導・習熟度別指導」の課題
「個に応じた指導と評価」を実現するために
―厳しく問われる創造的姿勢と指導力―
中部大学教授 梶田 正巳
一部抜粋
我々はなぜ「個に応じた」指導や評価の提案をいつも繰り返し語るのであろうか。
しかも,どの書き手も一斉指導の対極として取り上げていることが明らかになる。結局は,一斉指導を克服して「個に応じた」指導や評価を打ち立てることが語られている。
最近の話題では,「少人数学級」と「習熟度別指導」である。
筆者もいくつかの「少人数学級」を見たことがある。
しかし,そこで感じたことをおそれずにまとめると,日本の少人数学級は,「一斉指導の少人数化」ではないだろうか。
35,40人いるクラスの一斉指導を,20,15人の小クラスに絞っただけで,学習スタイルは基本的にまったく異なっていなかった。
教師には,自分の授業スケジュール・計画が先にあって,児童生徒をそれに適応させている。
しかしながら,毎日の授業において,教師がどの児童生徒の学習現状もしっかりと押えている,というのではない。
初めに当該学年のカリキュラムがあり,その消化を前提に,少人数の一斉指導を組み立てているのである。
結局,必然的に「個に応じる指導と評価」の幅が極めて制約され,日常的に学年を超えることは困難になっていた。
習熟度別指導も同様である。
学年ごとに決まっているカリキュラムや教科書という強い制約の中にあって,子どもの達成度でクラス分けし,時には生徒の関心・意欲を考慮にいれて指導クラスを編成し,一斉指導をしていた。
こうした習熟度クラスでは,どこまで「個に応じた」幅広い違いは認められるのだろうか。
結論を言えば,少人数指導,習熟度別指導という概念や現状にとらわれず,我々はもっと,一人ひとりの児童生徒を伸ばす「日本的モデル」を,ボトムアップに探らなければならない。
以上 抜粋終り
私はこの小論文を読み、強く興味を示した。ただ、やはり、大学人だ。現場での具体的なビジョンについては、我々の出番だ。
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