公立学校の真実
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厚生労働省と文部科学省の共同調査による2010年3月大学卒業予定者の就職内定率は62.5%(09年10月1日時点)。これは“就職氷河期”と言われた03年の60.2%、04年の61.3%に次ぐ低い水準だった。また、日本経済新聞社が行った主要企業の10年度採用状況調査(10月1日時点)では、大卒内定者数が09年入社実績に比べ28.6%も低下している。
こうした結果を受け、多くの11年卒業予定の学生たちは、“就活”に警戒心を強めている状況だ。
実際、就活情報サイト『日経就職ナビ』が11年卒予定の学生に「今年の就職戦線は前年と比較してどうなるか」を尋ねた調査によると、「非常に厳しい」39.8%、「やや厳しい」53.6%と、合わせて93.4%の学生が就職戦線は「厳しい」という見方をしている。
しかし、『日経就職ナビ』を共同運営するディスコの前岡巧調査担当部長は、2011年卒の学生の就職活動を「2010年卒の学生より有利なのではないか」と分析をする。それは一体なぜなのだろうか。
先輩の失敗を糧に堅実に行動する
2011年卒の学生たち
昨年11月、学生の就職情報サイト『リクナビ』が東京で主催した就活イベントに、前年同時期の46000人を大きく上回る57000人の学生が来場した。『リクナビ』の毛利威之編集長は「開場前から学生が長蛇の列になっていた。過去のイベントで、あんな黒山の人だかりを見たことがない」と、“就活のプロ”もその熱気に驚くほど。東京以外の地域のイベントにおいても、来場数は軒並み昨対比約1.3倍の来場者数といい、早めの活動をする学生に就活への意欲と危機意識が感じられる。
この意識は、エントリー企業数にも明確に表れている。ディスコが行った調査によると、昨年11月中旬時点で企業に「エントリーした」学生は全体の95%。さらにエントリーした学生1人あたりの平均社数は44.3社にのぼる。同調査ではここ数年、11月時点でのエントリー数は25社~30社台前半で推移していたというのだから、40社超のインパクトは大きい。早くから大手や人気業界などに志望先を絞りすぎず、広く企業を研究する熱心な様子が伺える。
さらに「2011年卒就職戦線の見通し」(同上『ディスコ』調べ)によると、10年卒に比べて「やや楽」になると回答した学生が前年同期調査の1.0%から6.4%とわずかながら増えている。就職環境が買い手市場へと急変した10年卒に比べれば冷静さが若干ながら伺えるようになっているのも事実だ。