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 下記は日本医師会の准看護師に対する見解である。要するに准看護師養成の停止による弊害を記したものだが、准看護師制度は廃止されることはないと思われる。
 
 しかし、准看護師は今後減少する。それは看護大学の増設、さらにはより専門的な認定看護師(現在までに3000人はいると推測される)、専門看護師の養成(平成20年4月現在の教育機関は34大学院102課程、現在451名排出した。)など高度な専門性を持った看護師を作り出すことに尽力し、看護師のさらに下に位置する准看護師養成機関及び人数は減少または停止するとことろが増えているからだ。
 
 それでも尚且つ下記に示されているように、高齢化に伴い、介護施設、病院の看護の担い手は不足する。従って今後は看護師も2極化すると思われる。高度な専門性を必要とするものと従来の看護または介護に近い形に位置するものに分かれていくだろう。

 准看護師養成については、俗的にいえば不人気、時代遅れというイメージはぬぐえない。しかし、なくなることはないという観点から言えば養成所を作り人材を輩出すべきだ。志はあるが看護学校には行く学力がなく、経済的にも負担が掛かり過ぎるという人たちに対して開かれた看護への大きな道である。

 准看護師学校をぜひとも作りたいものだ。


 
                        医師会の見解 
 

 高齢化は今後も進展し、75歳以上の後期高齢者人口は2029年まで増加すると予想されています。75歳を過ぎると虚弱・痴呆・寝たきりになる可能性が急激に高くなることから、看護・介護を必要とする方はますます増えるでしょう。一方、少子化も加速していることから、看護学校へ進む新卒者も減少し、看護の担い手不足に更に拍車がかかることが懸念されます。

 このような状況に対応するには、社会人や家庭に入った方に活躍していただくのが現実的です。2年間という教育期間である准看護師養成所は、これらの方が新たに看護の道を志す場合に、最も学びやすいのではないかと考えます。実際に准看護師養成所に入学される社会人は増えており、また大変熱心に勉強されています。平成14年にはカリキュラムが改正され、より充実した教育内容になっており、また准看護師から看護師になるコースもあります。現在看護師として働いている方の半数程度は、准看護師を経た方と考えられます。

 さて、この看護職員不足は日本だけではなく、世界的な問題でもあります。中でもイギリスは深刻で、南アフリカ等からの外国人看護師に依存しているような状況です。反対に、国費を投じて養成した看護師を高い賃金によって引き抜かれる南アフリカ等は、自国の看護職員不足に悩まされているのです。イギリスには、日本の准看護師制度と同じ制度がありましたが、数年前に廃止しており、それがこの深刻な看護職員不足の1つの要因であることに間違いはないでしょう。日本も決して対岸の火事ではありません。現に、フィリピンは外貨獲得等の目的で、日本に看護・介護職員を派遣しようと攻勢をかけてきました。

 もし准看護師がいなくなれば、イギリスと同じ状況に陥ることは明らかです。お年寄りは、外国人の看護・介護職員の手で、果たして安心して十分なケアを受けられるでしょうか。十分なコミュニケーションが取れなければ、看護や介護は成り立ちません。自国の看護職員は自国で養成するのが当たり前ではないでしょうか。イギリスの轍を踏まないために、今後とも地域医療を支えるパートナーである准看護師を養成する必要があります。

 准看護師は誇り高き立派な職業です。准看護師の養成停止を主張する人たちもいますが、病める患者さんの看護をしたいという優しい気持ちを持った人が、看護職員になるための道は、たくさんあってもよいのではないでしょうか。確かに看護師になる道として考えるならば多少遠回りかもしれませんが、段階を踏まなければ看護師になれなかった方も大勢いるのです。

 准看護師制度へのご理解をお願いします。

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