公立学校の真実
★★★
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
埼玉県北本市の市立中学校全4校が、給食費が3ヶ月以上未納の家庭には給食を停止する旨の通知を出したことが議論となっている。
朝日新聞によれば、「文部科学省が全国の公立小中学校583校を抽出して行った調査では、12年度の未納者の割合は0.9%。法的措置をとった学校は1.1%。完全給食を実施する公立小中学校(約2万9千校)全体での未納額は推計21億円余りに上る」とのことだから、もはや個別に対処できるレベルをはるかに超えている。
さて、その記事の後には「そのような懲罰的対応ではなく支援を」、「保護者と信頼関係を築く必要」との識者の意見も付け加えられていた。まことにごもっとも。しかし、そのような精神論を繰り返すだけでは、何の解決にもならない。どうすればいいのかをここで考えてみたい。
この問題の背後には、本来の業務とは思えない事例に現場の先生方が翻弄されているという実態がある。よく知られているように、日本の、特に小中学校の先生方の忙しさは異常だ。生徒たちとじっくり向き合えるはずの貴重な時間を奪い去るような雑務からは極力解放してあげるべきだ。給食費未納問題を考えるとき、この視点を欠いてはならないと思う。
この問題の難しさは、経済的に払えない家庭と、払えるにもかかわらず払わない家庭が混在している点である。
前者に対しては適切な支援が必要である一方、後者に対しては結局、今回のような対応しかないのではあるまいか。単に現場の中学校任せにしているだけで明確な方針をたてないでいては、事態を悪化させるだけだ。
北本市の場合で言えば、該当する43名全員が納付するか、納付する意思を示したという。必ずしもそうならなかった場合でも、このような明確な態度を示した結果として本当に支援を必要とする家庭を把握できれば、はるかに細やかな対応が可能となるはずだ。
「罪のない子供に親の責任を押し付けるべきではない」という意見もよくわかる。しかしそれでは、払えるにもかかわらず払わない家庭をそのまま容認することが子供の為になるかどうかは大いに疑問である。
いずれにせよ、これは北本市だけの問題ではない以上、早急に国レベルでの指針を明示し、現場で対応せざるを得ない人々の心理的負担を少しでも軽減すべきである。その場合、
1) 義務教育での給食費は税金でまかない、各家庭から徴収しない。
2) 給食を廃止し、各自が昼食を用意する。
という選択肢がありえる。
我が校にも未納者はいる。この問題の責任を教員が担うとすれば、おかしなことだ。事務レベルで解決すべきことだ。
ただ、教員はこのとき、無関心でいるわけにはいかない。未納という現実を受け止め、子どもたちの背景を知るチャンスとしたい。保護者の考えを聞き、保護者の苦悩を知ることだ。もっと言えば保護者と友だちになればいい。言い方をかえれば保護者にも寄り添える教師となることだ。
なぜなら、そこから子どもに対する様々な解決策が広がってくるからだ。
未納はバツ。未納する保護者はバツ。
この ○ × の考えから離れると解決策が見えてくるものがある。