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全国首長アンケートの結果が出た。民主党政権の実績に大半が批判的だった。「期待したが十分な実績が挙がっていない」が76%、「期待もしなかったし実績も挙がっていない」が18%である。目立つのは、87%の消費税の増税だ。

さて、高校無償化は60%が推進を促している。これは首長が現場の実情を知らないからこういう結果になったと言える。

日本金融公庫の調査では、小学生以上の子供を持つ家庭の教育費(在学費用)が、2010年度は平均で198万2千円となる見込みだ。年収の37,6%に達する。前年度の33,7%から上昇し、比較可能な2000年度以降で最高となった。

ここで注目したいのは、教育費用の割合は、年収200万から400万未満は56,5%に対して、年収800万以上は27,2%だということだ。しかし、この数字だけを単純に比較するだけでは実態は見えない。在学費用は年収200万から400万未満は166万7千円だが、年収800万以上は237万8千円と出ているからだ。

つまり、年収の低い家庭は教育費を削っていてもさらに家計に教育費が占める割合が高いという格差だ。

中学校の現場で切実なのは、年収の低い家庭の進路だ。

年収が低い=教育に費用をかけられない(塾や習い事に行けない)。さらに進路決定時期になると、この生徒たちは私学に行けない。この2重苦が襲うことになり、希望が失われ暗闇の中に突入する。

しかし、我々教師などの年収の高い家庭は、別に公立高校無償化にしなくとも全く平気だ。

年収で7、8百万あれば中学からでも私学だって行かせられる。この格差を無視して、財源を一律公立高校無償化に使うのは無駄そのものだ。

我々教師仲間は、例え自分は公立学校に勤めていようが、自分の子供は中学校から有名私学に行かせている者も多い。私も2人とも子供は、高校は私学だ。全く必要のないところに税金を投じるバカな政策は辞めてほしい。なぜなら本当に困っているところに投じることが出来なくなるからだ。

現場では、切ない気持でこの格差と格闘している。もし、彼らの家庭が学費を払える力があるなら、生徒は希望が涌き、学校でも元気になり、教室を抜け出して邪魔をすることも少なくなる。そんな彼らに、少々の慰み事を言えても、教師が裕福だから伝わらない。

彼ら底辺層を救う手立ては希望ある未来を生みだすことだだ。だから、是非そんな彼らこそ、私学でも公立でも高校あるいは大学を無償化にすべきだ。なぜそれが首長に分からないのか。それは、現場での底辺層の子の可能性を知らないからだ。さらに、首長自身が裕福で底辺層の痛みが感じとられないからだ。

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