公立学校の真実
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発達障害の児童生徒が激増している現在、文科省はその対策のために通級指導教室を増設している。しかし、大阪市にはこの施策はない。大阪市の特色としてのインクルーシブ教育推進が優先されているからだ。
保護者にとってどちらが良いのか、その判断は難しいが、他の都市の学校は通級指導教室開設によって大きな恩恵を受けていることは事実だ。それは3点ある。
①発達障害の子たちへSST(ソーシャルスキルトレーニング)を中心に指導できる。
②発達障害の子たちや親にとって相談できる場所が校内にできる。
③発達障害の専門的な知見を持つ教員が排出される。
私はどれも大切だと思うが、③は支援の根本に当たると思われる。
通級指導担当教員によって他の教員へ発達障害への知見が徐々に広がるシステムができ、子どもたちにとっては最良の支援が広がっていく学校へと変わるからだ。
通級指導教員は自己研鑽、教育センターや教育委員会の研修を通して専門的な知見を身に着けていく。さらにK式やWISCなどの発達検査の実施やその報告書を書くための実践をする場合も少なくない。また、就学相談にもかかわる場合もある。このような実践や経験は他の教師ではけしてできない。
自己研鑽では特別支援教育士などを持つ教員も多く、その資格を維持するために休みを利用して自腹で遠方まで行き研鑽を繰り返している教員も少なくない。さらには公認心理師を持っている教員もいる。そのような資格を持っていなくとも通級指導教員たち同志で切磋琢磨しあい、資格所持者と同等あるいはそれ以上の専門性を持っている教員も多い。
大阪市では、残念ながらそれはない。発達障害についての専門性という点では、多くの発達障害の子どもたちに接して指導し、研鑽を続けている通級指導教員にはけして及ばない。
だから、目の前の発達障害の子どもがいてもスルーする場合が多くなる。専門性を伴った適切な支援体制が構築できていないからだ。専門性を持っている教員が校内に1人でもいるかいないか、これは発達障害の子たちを救えるか救えないかの大きなポイントになるだろう。
小中学校でそういう子どもたちを拾わなければ、残念ながら大人になってその子は社会の壁にぶつかり続けなければならない。
大阪市は他の都市を参考にし、インクルーシブ教育の推進と共に発達障害の子どもたちを救えるシステムを早急に作るべきだ。もっと現在の子どもたちと学校の実態を見るべきだ。学力を全国なみにすることと発達障害の子どもたちの支援はけして異なることはない。発達障害の子どもたちを専門的に支援することにより全体の学力は上がると信じる。