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  優秀な人材を確保するため、県教育委員会と横浜市教育委員会が、2011年度の教員採用1次試験を県内・市内会場以外で初めて九州会場(福岡市)でも実施することを決めた。

   首都圏で人口急増期に大量採用した教員が退職期に入り、地方出身者の争奪戦が起きていることから、ほかにも新たな施策を打ち出す。質の高い人材の発掘へ、そろって倍率の向上を目指す。

 県教委によると、09年度の小学校1次試験の倍率は1・3倍。全国最低レベルだった。

 県教委は10年度試験から、青森など4県教委での前年度1次試験合格者を対象に、県の1次試験を免除する優遇策を導入したが、応募者は6人(合格者は3人)にとどまっていた。

 そこで11年度、県・相模原市立の小学校と特別支援学校の1次試験(7月3日)について県内に加え、福岡市でも実施する。

 川崎市と東京都は九州、東北でも試験を行っており、県教委は「福岡は交通の便も良く中国、四国地方からも受験しやすくなる」とみる。東北地方よりも九州地方の応募者数の方が多い横浜市教委も同様に“参入”する。

 さらに新たな施策も相次ぎ打ち出す。県教委は、小学校に限っては10年度まで2日間実施していた2次試験も1日に短縮。試験科目は面接や模擬授業、論文のみとし「合格者のほとんどがパスしている」(県教委)という体育や音楽などの「実技」を廃止する。

 このほか、志願者説明会も初めて県外(宮城県、福岡県)で実施する。

 一方、県内出身者の流出防止策にも取り組む。公立学校の臨時的任用職員経験者に対する特別選考の資格要件を拡大。これまで「直近4年間に通算2年以上」としていた勤務経験の条件に「2年間に1年以上」などを追加した。

 首都圏の多くの教育委員会では1年未満でも受験でき、県内から経験者が流出している可能性があるという。

 横浜市教委も11年度選考試験では、小学校のみで実施していた大学推薦特別選考を中学校、高校(数学、理科)まで拡大する。小学校で実施していた音楽(電子オルガンによる伴奏、歌唱)、体育(水泳25メートル)の実技試験を廃止。特別選考2(教職経験者、社会人、青年海外協力隊員など)の1次試験では論文試験を取りやめる。

 県教委、横浜市教委とも「応募者数を増やし、優秀な人材の確保に努めたい」としており、都市間競争に一層拍車を掛けている。


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