公立学校の真実
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教員の数をめぐる論議が行われている。
削減を求める財務省に対し文部科学省側は反発している。来年度予算編成に向けた「数」の綱引きに終わらせず、教育の質の向上につながるよう考えてもらいたい。
教職員は学級数に応じた人数の他に教育上の課題に対応する「加配」をプラスして配置されている。
財務省は財政制度等審議会で、義務教育の公立小中学校の教職員の数を平成36年度までの9年間で約3万7千人削減できるとの案を示した。
一方、文科省は同年度までに5千人の減少に抑えるよう計画している。少子化で学級数が減り、教職員数も自(おの)ずと減るが、いじめや不登校など学校が抱える問題は多様、複雑化しているとして加配教員の増員を求めているからだ。
財務省案に対し、文科相の諮問機関の中央教育審議会は「学校の厳しい実態を無視した暴論」と非難し合っている。
国力につながる教育に、十分な予算が必要であることに異論はない。しかし、限られた財源の中で何を優先するのか。義務教育費の8割を人件費が占めていることは事実であり、教職員数は他の文教施策にも関わる。
少子化のなかで、児童生徒数に対する教員の数はむしろ増えている。1クラスの人数が20人台以下の学校も少なくなく、安易な教員増が公教育の信頼回復につながらないことは経験上明らかだ。
教員が増えれば本当にいじめが解決できるのか。多忙が解消されるのか。こうした財務省の疑問を、文科省をはじめとする教育界は、真摯(しんし)に受け止めて答えを出さなくてはなるまい。
学校を外から見ると、真剣に指導にあたる教員と、そうでない教員の差が大きい。指導力不足の教員が放置され、他の足を引っ張る現状もある。まず教員世界の悪平等を排し、熱心な教員を適切に評価し、報いたい。意欲ある教員が腕を振るえる環境を整えることで優秀な人材も集まろう。
校長や教頭に多くがなりたがらないという組織は不健全だ。研修などを工夫し、日頃から教員同士の連携を強めることでチームとしてカバーし合い、不登校などの問題を解決している例もある。
教育を良くするも悪くするも教員の力にかかっている。その力を高める施策を優先してほしい。
教員の質を高める施策を優先するべき、という論調だ。しかし、ここで質を高める施策とは何か、という問題が出てくる。例えば、研修を繰り返せば質が上がるのかということだ。
現場では、今は新任の研修が多く、新任が校内で十分な活動ができないことがある。また、研修の内容も不評なことがある。
今、現場の教員に身につけてほしいことは次の2つだ。
1つ目は、試練を迎え討つ心の構えだ。毎日、教員には試練が矢継ぎ早にやって来る。それをどう受け止め、最善の道をつけていくかを問われつずけている。毎日が秒刻みの神経戦だからこそ必要なことなのだ。
2つ目は、信頼関係を構築する力だ。生徒や保護者との信頼関係だ。また、同僚同士の信頼関係だ。信頼関係は教師の権力や力を振りかざしてはできない。かといって、もの言えない弱腰でもできない。これは本当に難しい。
これら2つは知識をもらう研修ではつかめない。失敗も含めて経験を積み、よき先輩たちと仕事をして心を心を研いでいくしかない。