公立学校の真実
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朝食を食べて来なかった児童のために、女性校長(59)が手ずから握ったものだ。
授業中に教室を飛び出したり、同級生に暴力をふるったりといった問題行動を起こした児童は、落ち着くまで校長が校長室で面倒を見る。毎日のように数人が部屋にいる状況に、校長は「担任は手いっぱいで……」とため息をつく。
2009年度、県内の公立校では、753件の暴力行為が発生。児童生徒1000人当たり6・4件と、全国平均を2・1件上回った。教師は、問題行動が起きるたびに子どもに指導を行い、家庭訪問に走る。保護者たちから苦情を受けることも少なくない。
忙しさや責任の重さに、体調を崩す教師は後を絶たず、約7400人いる県内の公立学校教員のうち、ここ数年は常に100人前後が休職している。その半数は、うつ病などの精神疾患によるものだ。
「もっと人に余裕があれば」。学校関係者はそう口をそろえ、独自に対策をとる市町村教委もある。和歌山市教委は03年から、小学校低学年の授業のサポーター制を導入し、10年度は約20人を配置。同様の支援員として海南市は12人、有田市は6人を置くなど、各自治体がそれぞれの予算で行っているが、県が採用する臨時講師と違って、担任を任せることはできず、補助的な役割にとどまる。
市町村からは県予算による教員配置を求める声が上がるものの、県教委は財政難から独自配置には否定的。県教委総務課の西岡敬秘書班長は「金を使って教員を増やすよりも、教員のスキルを上げることが先決だ」と強調するが、現場からは「教師のスキルアップすら、財政難でおろそかにされるのでは」との声が漏れる。
不信感の一因は、現状とマッチしない県教委の様々な施策だ。
05年、県教委は県内7か所の教育事務所を全廃。「市町村教委への権限移譲」が建前だったが、実態は行財政改革に伴う合理化が目的だった。その後、指導主事による地方の学校への訪問が手薄になるなどし、現場からは「県教委の支援が行き届かない」と不満が噴出。今年4月、県教委は県内4か所に教育支援事務所を置き、指導主事の配置を復活させるはめになった。
2年前からは、「市民性を育てる教育」をキャッチフレーズに、地域住民による実習授業の実施や、ボランティアとしての学校行事への参加を推進している。だが、ある市教委の担当者は「地域の人に、問題行動を起こす子どもへの対応まで手伝ってもらえとでも言うのか」と反発する。
紀中地方のある教育長は吐き捨てるように言う。
「県教委の『かけ声』はもういい。欲しいのは実利だ」(加野聡子)(2010年11月24日 読売新聞)
全くその通りだ。はっきり言おう、指導困難な生徒をどうするかなのだ。逆にいえば、指導楽勝な生徒が60人集まったクラスより指導困難な生徒5人がいる生徒数15人のクラスの方がはるかにしんどい。ボランティアできても楽勝な生徒は扱えるが、困難な生徒はやはり担任が面倒を見なければならない。採用するなら退職教員で元気なものに講師をしてもらうのがいい。若い人でもよいが彼らは採用試験があるので全力投球できないのだ。