公立学校の真実
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エアコンを公費で整備せず、保護者らの負担での導入を認めている県立高校で、学力が低いとされる高校ほどエアコンが導入されていないことが、千葉県立布佐高校の鳥塚義和教諭の調査で明らかになった。偏差値が下がるほど、保護者がエアコン設置費を負担する余裕が無く、親の格差が子どもの学習環境にも影響を与えているとみている。
同教諭が県内の都市部にあたる第1~3学区(千葉、市川、船橋、松戸、習志野、八千代、浦安、野田、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷)の73校 を対象に県教育庁に情報公開請求して調べた。31校で普通教室にエアコンが設置されていた。
学習塾の偏差値データを利用し、偏差値ごとのグループで分けたところ、「偏差値50以上」の学校では31校中27校で設置されていたが、 「49以下」では36校中4校だけだった。うち2校は偏差値49の学校。残りの2校も騒音対策のために公費で設置された学校で、48以下では保護者によるエアコンの設置はなかった。
県教育庁によると、2月現在、県立高校129校中、55校でエアコンが設置されている。2006年度以降、保護者らの意向がまとまった場合にエアコンの設置を認めている。「厳しい財政上、公費で設置することは難しいので、保護者が希望した学校には設置を認めている」とのスタンスだ。ただし、5校は例外的に自衛隊の騒音対策などで公費で設置されている。保護者らはエアコンを設置した場合、リース代や光熱費として、月に560円~960円を負担しているという。
県内の「進学校」から「教育困難校」まで経験したことのある鳥塚教諭は「『困難校』では保護者の授業料の滞納なども多く、少額にも思えるエアコン代も払える状況にない。エコの観点だとエアコンは不要とも思うが、進学校では涼しい場所で勉強がはかどり、困難校では暑さで集中できない。親の格差が子どもの格差につながるという象徴的なもの。困難校の現状を知って欲しい」と話す。
生活保護、ひとり親、低所得などの世帯に適用される授業料の減免者率も調べ、偏差値「39以下」の学校では生活保護、ひとり親、低所得世帯ともに最も高い割合だった。調査結果をまとめた論文は5月に鳥塚教諭が非常勤講師を務める武蔵大「武蔵大学教職課程紀要」で発表する予定だという。
07年度から都の予算で設置している東京都が06年に行った調査では、大阪府、和歌山県は行政が設置し、保護者から年約4、5千円を徴収。京都府、鳥取県は公費で設置していた。埼玉県など28県は保護者らの負担による設置を認めていたという。
2010,3,17 塾ニュースより