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ノート点検ほど無味乾燥な作業はない。

テスト当日にノートを提出させるのが通例だが、テストの採点とともに時間がかかる作業でもある。ノートの中身を丁寧に点検していくと相当時間がかかる。


時間がかかるだけでなく、ノート点検そのものに疑問を持っているから滅入るのだ。
 

ノートの中身をマーカーやペンできれいに彩り丁寧にまとめているなら、一応良いノートとされるが、私はあまり思わない。

教科の性質もあるのかもしれないが、美術科でもないのできれいさを競うものではないからだ。人に見せるものでもない。

ノートは自分の理解を助けるものであればよい。

なので、いちいち他人が外から見て評価する対象にはならないものだ。



これが本音なので、生徒のノートを点検してABCと評価するときの気分はつらい。


同僚にこのことを愚痴ると、同感してくれる人も多い。

しかし、「このノート点検で救われる生徒もいるんですよ。テストの点が悪くてもこれを頑張って最低の評定にならないようにしている生徒もいるんです」と伝えてくれた同僚もいた。

確かに。ノート点検があるから生徒は静かにノートをとり、教師は静かに授業を進めることができる一面はある。


我々の中学や高校時代、先生がノートを点検することは全くなかった。通知表が観点別評価になったのをきっかけに、意欲関心の観点をノート提出などに求めていった。

ノートだけではない。学校で使う問題集を提出させて評価する教科も多々ある。しかし、答えを丸写ししてくる生徒も後を絶たない。

それも含めてなんとか評価にしているのが今の現状だ。

答えを丸写ししてくる生徒、それは学力がその問題集に合ってないからだ。

だったらその学力に見合う問題集を与えればよいのだが、平等主義が邪魔をする。つまり、同じ教材でないと平等な地点に立って評価ができないのだ。


夏休み冬休みなどの宿題もどこかの出版社の作った問題集を一律に与えたりするが、学力差に合った問題集を選ばせることが必要だと痛感しながら購入させ、提出させている。


ノートをきれいにとることに力を入れるあまり、教師の話をうまく聞けていない生徒がいることは事実だ。本末転倒といえる。もっと自在に学習ができるよう我々教師側の自在な発想・工夫が必要な時が来ている。
 
 
 
 
 

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