公立学校の真実
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「彼らはトップレベルの頭脳を持ち、自ら考え、解決する力を持っている。ぜひ、うちに来てほしい」。7月14日、記者会見に臨んだ阪大理学部の東島清・学部長は、こう力を込めた。
この日の会見で発表された25年度入試概要の目玉は、理、工、基礎工学部の計14学科で導入される「国際科学オリンピックAO入試」。7分野ある国際科学五輪のうち、数学▽物理▽化学▽情報▽生物学▽地学-のいずれかに日本代表として出場した経験をもつ受験生については面接のみで合否判定を行い、初年度の授業料も無条件で免除とする“破格”の内容だ。
科学五輪出場者の獲得をめぐり、阪大の当面の最大のライバルとなるのは、国内の大学の頂点にある東大だ。
東大は特に科学五輪出場者への優遇措置をとっているわけではないが、出場者が在籍している高校の多くは、灘高(神戸市)、開成高(東京都)、筑波大学付属駒場高(同)といった全国でも指折りの進学校。“一芸”だけでなく総合的な学力も高く、科学五輪の中で出場枠が6人と最も多い数学分野の出場者の大半は、例年、東大に進学する傾向にあるという。これに対し、過去の科学五輪出場者で阪大に進学したのは1人だけだ。
東大に大きく水を開けられている現状について、阪大は「研究では決して東大に後れをとっているとは思っていない」としながらも、「大学名など種々の理由から、東大へ入学する学生は実際に多い」と劣勢を認める。だからこそ、「有利な条件を設定し、研究にも励める環境を用意した」という。
実際、ひと足早く20年度入試に科学五輪出場者への特別入試を導入した筑波大学には、東大には及ばないものの、物理や化学分野の出場者が進学するようになった。筑波大は「従来のペーパー入試だけで評価することの問題点も多い。学生の意欲を重視する体制を整えていきたい」としている。
阪大も、「意欲のある学生を獲得し、入学後の活動をサポートすることで、研究をリードする若者を育てていく環境に変えていきたい」と話している。