平和な学校 困難な学校
平和な学校は教師の顔が違う。学校らしい昔のほのぼのとした雰囲気が漂う。

高校なら平和な学校は、各教科研究室があるので、好きなことができる。教材研究も十分時間はあるし、趣味もその部屋でできる。一週間に15時間ほど授業をすればよいから、ゆったりと時間が流れる。放課後の部活動も体育科の先生たちが中心で見ているのでそんなに見なくともよい。


平和な学校では、教師になってよかった思えるひと時を過ごせる。

中学などの困難校に行くと生活は一変する。

朝起きると、必死で気合いを入れる。まず、朝が早い。部活の朝練があるからだ。自分が遅刻すると生徒が練習できないし、教師が遅れていては示しがつかない。

8時30分に朝の打ち合わせが始まる。一日の流れを把握しなければならないので、気を抜けない。私が職員全体に伝えることもある。さあ、朝学活に行く。この時が一番足取りが重い。服装、頭髪、不要物、すでに頭の中は憂鬱そのもの。次に、遅刻者への対応やまだ来ていない生徒に電話する。

その後は自分の授業をすればよいのだが、空き時間は、授業に入らない生徒への対応に追われる、さらに保健室登校の生徒への対応もする。

戦いは給食と掃除。何が起きるかわからない。ここでいじめが多い。だから、職員室には昼休みでも帰ることはない。

これを乗り越えると部活が待っている。部活も実は戦いだ。練習中に邪魔をしに来るやんちゃな生徒たちがいる。部員の用具をとり勝手にプレーするのだ。また、放課後は部活以外でも、生徒指導や補習に追われる。

すべての生徒が下校しても終わりではない。心身の回復を待ち、打ち合わせ後、家庭訪問だ。重い家庭訪問は、その家へ行くまでに逃亡したくなる。しかし、逃げるわけに行かない。時には親が返ってくる時間帯まで学校で待つ。それが夜10時かもしれない。

教材研究はいつするのか。職員室から教科書を持って階段を上り教室につくまでの間だ。

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2010/12/13 18:56 | Comments(2) | TrackBack() | 困難校の実態

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コメント

公立中学校の格差について調べていて、こちらにたどり着きました。
こちらで説明されている困難校の現状と、大阪市内のうちの校区の中学校がほぼおなじです。
酷いとは思っていましたが、まさか最低のレベルだったとは・・・と読んでビックリです。
長男は昨春この中学校を卒業して、現在は私立高校生ですが、次男は将来の職業に夢があり、本人の希望で私立中高一貫校を受験させて、地元公立中には通っていません。
問題は現在小学校低学年の三男です。
三男はあまり勉強が得意なタイプではありません。
しかし性格は素直で優しく、友達にも恵まれています。
できればこのまま地元公立中に通わせたいと思っています。
今通っている小学校は大変指導が行き届き、生徒も落ち着いていてとても満足しているのですが、中学校はもう1つの小学校(大規模公団を抱える地域)と混ざります。
現在地元中学校では、授業中の脱走や徘徊が日常的、ガラスの割れ、非常ベルが鳴り響き(いたずらで)、パトカーもしょっちゅう来ているようです。
次男の小学校の時の友人に様子を聞くと、講堂で学年オリエンテーション中に、上級生が1年生の教室のドアを蹴ってこわしたり、置いてある傘を折ったりしていたそうです。
1年生の教室に授業中廊下から顔をのぞかせる上級生もいるという話です。
それで最近は1年生の教室の方へ入ってこないように、手の空いた教諭が廊下で見張りをしているそうです。
そんな状況なので、学習指導にはあまり手をかけてもらえていないようです。
もともと定期テストの成績結果資料も、平均点しか開示してもらえず(点数分布表はありません)、長男の時の進路指導も保護者向けの進路情報通知が全く充分ではなく(学校内の掲示板に貼るのみ)大変不満がありました。
最近知り合った、同じ市内の別の公立中学校のお母さんにそちらの学校の様子を聞き、あまりの格差に愕然としました。
そちらの学校では授業数も週30コマだし(こちらは28コマ)、成績評価についての保護者向け説明会も開催されたり、とにかくきめの細かい指導がなされています。
同じ公立中でここまで差があるのはなぜでしょう?
長男在学中から、もともとゆるい学校でしたが、今ほど困難校ではありませんでしたのに、ここ数年でどんどん荒れてきました。
個人的には学校の指導体制が甘かったところに、状況の悪い生徒が入学してきて総崩れになってしまったように感じています。
したの学年が悪いと、それまで落ち着いていた上級生までが張り合うが如く悪くなっていったそうです。
このような状況に陥ってしまった場合、改善されるまでにどれくらい時間がかかるのでしょうか?
また、どういうプロセスを経て改善されていくのでしょう?
三男が中学校に上がる4年後には、状況は良い方に変化するでしょうか?
高度な勉強を要する夢を目指していない三男のような性格の子は、地元公立で普通に過ごしたいのですが、ここまで酷い状況では、公立回避を考えた方がいいでしょうか?

それともう1つ質問なのですが、先日、この中学校で、私学に入学した数名の生徒の名前がクラス名簿に記載されていることがわかりました。
うちも私学にですが、幸い(?)息子の名前はありませんでしたが・・・。
所謂二重学籍状態だったわけですが、この名前があった生徒の保護者が友人から聞き中学校に事実を確認するまで、中学校から電話はなかったそうです。
もちろん役所に届けを出してましたので、役所にも確認したら、中学校へは通達したというのですが、なぜかこのようにミスが発生しています。
こういったことが起こる背景は何が考えられますか?
posted by hhhat 2011/04/18 12:22 [ コメントを修正する ]
大変中身のあるコメントありがとうございます。荒れている中学校には2種類あります。
・恒常的に荒れている学校
・波があってその谷間(ボトム)になっている時期の学校

恒常的に荒れている学校は一定数の力のある教師が毎年配置されている。
波の谷間ボトムにある学校は、その時その都度配置される。

ここで重要なのは、重点配置です。教員の配置を決める場合、同和校の中でも最重要校が一番初めに教員配置がきまりその後その他の学校の教員配置が決まる。
これは近畿圏共通。

コマ数に関しては学校裁量で幅があります。また、1コマを帯び(朝の10分を読書にして5日間で1コマの国語とする)で取っている場合もあります。

最後の「ミス」が起こる背景は分かりません。今までそのような「ミス」に出会ったことがありません。
posted by 公立学校の真実at 2011/04/27 00:02 [ コメントを修正する ]

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